名護やんばるツーデーマーチ

今回の行き先は沖縄です。沖縄へは過去に数回ほど遊びに行ってますのでとても気楽です。例によって金曜日の朝は荷造りから始まります。天気予報では雨の気配はなかったのでカッパやスパッツは置いていく事にしました。念のため小型の折りたたみ傘だけはナップザックのすみに入れておく事にしました。荷物はいつものJMLツアーよりもずっとコンパクトに収まって朝の出勤ウォーキング7kmも普段どおりこなせました。仕事のほうは意外とスムーズにこなせて5時頃には一段落つきました。さあいよいよ出発です。

今回のツアーは私の弟分であり会社の同僚でもあるO君(本人のたっての希望により仮名で表記します)も参加します。彼は先日の河口湖でウォーキングの楽しみに目覚めて今回の沖縄にも意欲的に参加を決心した経緯もあり、かなりテンションが高い状態です。彼は今回のウォーキングツアーで初めて沖縄を訪問するとの事でしたので、まるで子供が夏休みの旅行に行くときにはしゃいでいる状態に近いです。私たちは空港のラウンジで今後の旅程を肴に無料のビールを何杯も飲みながらもうかなり出来上がってしまいました。(しかし彼は沖縄でとてもつらい経験をする事になります・・・)

沖縄への飛行時間は2時間半でしたがすでに相当酔っていたので機内では爆睡していました。殆ど一瞬で那覇空港へ到着です。この時点でもう夜の10時30分です。残念ながら名護への高速バスは8時で終了していますので名護へはレンタカーかタクシーで移動する事になります。名護までの道のりはタクシーで1時間30分かかりました。結局ホテルにチェックインできたのが真夜中になってしまいました。明日は出発が早いのですぐに寝たかったのですが、O君は初めての沖縄ですので彼のために近所の居酒屋で沖縄料理を堪能してから沖縄そばで締めくくってから眠りにつきました。通勤ウォーカーとしては仕事とウォーキングとの両立が大事なテーマなのですが、さすがに次回に名護に参加する際には仕事を早退して早めの便で移動しようと心に誓いました。

初日のウォークは40キロです。出発は6時半ですがあたりはまだ真っ暗です。日本列島が横に長いために本州よりも夜明けが遅いのです。沖縄は夜明けが遅くて日没も遅い地域だと言えます。夏などは9時頃まで明るくてレジャーの時間をたっぷりと確保できるのがとっても羨ましく感じます。私が生まれた北海道は全く逆で朝はとても早く明るくなります。夏の時期は午前3時ころまで飲んでから帰ると、もう明るくなってますので朝帰りは日常茶飯事です。同じ日本でも地域による気候の違いや季節の移り変わりを身をもって感じる事ができるのも、ウォーキングの醍醐味ですね。とにかく真っ暗なスタートは初体験でした。

今回の私の知っている参加メンバーはSHさん、オッパーさん、ふらのっちとしおじちゃんいっちゃんとんぼさん、もたさん、amakaraさん、オレンジファミリーたまっち親子大嶋さん、千恵さん、長野さんなどなどのメンバーです。JML大会も回数を重ねるたびに皆さんと交流させて頂いて知っているメンバーが毎回増えていくのはとっても幸せです。

コースの途中でオッパーさんにお会いして2時間ほどご一緒させてもらいました。歩きながらいろいろな内容の話をじっくりとさせてもらいましたがとにかく人生の先輩として尊敬できる方ですね。面白いのはオッパーさんが道中で皆さんをパスするたび多くの他のウォーカーから声をかけてもらっていた事です。やはり普段から気さくに交流されているのでオッパーさんはどこへ行っても人気者ですね。銀行の副頭取(吹く頭取?)という社会的立場もこうした交流の積み重ねの結果であり伊達ではないと感じました。

コースの途中で運良く20キロの先頭付近を歩いていたO君をつかまえる事ができました。彼は20キロコースですが途中から40キロのコースへ誘ってしまいました。そこからはオッパーさんと3人での歩行です。名護山を登るコースはかなり登りがきつくてO君には大変そうでした。私は登りが得意なのでぐんぐん進んでいきます。コース途中にあった展望台から見る名護の市街とマリンブルーの海は正に絶景でした。苦労して登ってきたご褒美がもらえたという事ですね。

コースの途中にあるオリオンビールの工場ですが、ウォーカーには瓶ビールの大瓶がまるまる振舞われます。結構飲みごたえがある分量でした。例によってオッパーさんは他のお酒をあまり飲まないウォーカーのビールをやりくりしてかなりの分量を集めていたようです。正直言ってウォーキングの後(正確にはまだ途中ですが)のビールは恐ろしく美味しいものでした。この味を楽しむためにまた名護を歩こうと心に決めました。O君が山道で相当疲れている様子なのでビールを飲みつづけているオッパーさんを残して私達二人はゴールを目指す事にしました。

オリオンビールからゴールへ向かうコースはちょっとしたアーケード街を通ります。ここには美味しそうなお店が多々あってなんだか目移りしてきますね。ほろ酔い加減でダラダラ歩いていたらとんぼさんともたさんにパスされました。とんぼさんは会うと必ずおせんべいや飴を配給してくれます。とってもうれしいです。旭川の歩会の加藤さんにもばったり出会いました。なんと加藤さんたちご一行はオリオンビールの後に沖縄そば屋さんに立ち寄ってきたとの事。なんでもとっても美味しかったとの事で私たちもビールを飲んでお腹が活性化して丁度はらぺこでしたのでお店を教えてもらう事にしました。いったい何時になったらゴールできるのでしょうか?あまりに誘惑が多いコースだと言わざるを得ませんね。

加藤さんに教えてもらった沖縄そば屋はアーケード街からちょっと奥まった場所にあって隠れ家的な食堂でした。沖縄そばの味は確かに美味しかったです。後で聞いた話ですがこの店はガイドブックその他にもよく紹介される有名店で早い時間にそばが売切れてしまうのですぐに閉店してしまうそうです。今日は運良く食べれました。店を出てアーケードに戻る道を歩いているといっちゃんが一瞬横切りました。すると私に気がついたようで声をかけて頂きました。ほんの一瞬横切っただけなのによく私達に気づいたものです。さすがにいつも周囲に気配りをしているいっちゃんです。

みんなで揃ってゴールとなりました。例によって詳しいコースレポートは省略しますが正直な印象を言えばとってもきつかったです。全体的には変化に富んでいて歩いていて飽きないコースですが、私の苦手な下り坂がとってもきついのです。特に名護山から一気に名護市内まで降りてくるコースの下り勾配は今まで参加したどの大会よりもきつかったです。距離的にはあまり長くは感じませんでしたがとにかくゴールした後は普段使わない筋肉がかなり疲労して、かなり痛んで歩きにくい状態になってしまいました。まだまだトレーニングが足りないようですね。

その後会場では記念撮影や再開を祝っての挨拶が続きます。O君もCWの皆さんたちとの交流に誘われてとんぼさんからはおせんべいを頂いていました。懇親会の開始までは4時間ほどありましたので疲労回復の為に名護に一軒しかないというサウナに入って十分にリフレッシュしました。筋肉もほぐれてリラックスして仮眠をとってフレッシュな状態にリセットしてからメイン会場で懇親会に突入です。

懇親会ではオリオンビールの樽が各テーブルに用意され泡盛の古酒が無料で振舞われました。沖縄ならではの料理が用意されて全員で大いに盛り上がりました。あちこちでは記念撮影や笑い声でいっぱいです。特に我々のテーブルはステージ真正面だったのでいろいろなメンバーがとっかえひっかえやってきて大変にぎやかなテーブルになりました。大嶋さんは金メダル受賞で感慨深げでした。これでJMLの大会に一区切りをつけて今後はいろいろな大会にのんびりと参加したいとの弁でした。しかし大会参加30回というのはすごい事ですね。そう考えると徳島のSご夫妻の6回目の金メダルというのは150回の参加ですのでまさに偉業だと言えます。私などはまだ参加は7回ですので先は長いですね。懇親会で盛り上がった一行は夜の街に吸い込まれるように消えていきました。そういえばとしおじちゃんを見かけません。いったいどこへ行ったのでしょう?

翌日は30キロを選択です。朝の天気予報では雨のマークは出ていなかったので折りたたみの傘は置いていきました。今考えると軽いものなのでリュックに入れておけば良かったと思いますが後の祭りです。会場を出て珊瑚を踏みしめながら海岸沿いを歩きます。最初は好調だったのですがやはり昨日の下りで筋肉を痛めたせいか普段全く痛まない場所がずきずきと痛くなってきました。こんな場所が痛くなる経験は初めてです。状況を判断すると30キロ完歩はかなり苦痛を伴いそうなので急遽途中の分岐から20キロコースに変更する事にしました。しかし20キロコースの途中にもかなり長い下り坂があって相当ペースダウンを強いられる事になってしまいました。一緒に歩いていたO君にも先に行ってもらう情けなさです。

山道を歩いているとぽつぽつと雨が降り出しました。空を見るとそう暗くないのでそのまま歩き続けていたらいきなり滝のようなスコールが襲ってきました。大急ぎで上着を取り出して着ましたがあまりの雨足の強さに上着を貫通して全身びしょぬれになってしまいました。携帯電話やデジカメを雨から保護するために昼食用におにぎりを買った際のコンビニ袋の中に移してタオルで包むという作業をしながら必死で歩き続けました。不思議な事にさっきまであれほど痛かった足の事はすっかり忘れて、すごいペースで歩いている自分に気がつきました。結局は痛さというのは脳で処理をしているのであって、もっと決定的なトラブルである雨の処理で夢中になると足の痛みなんて忘れてしまうようですね。要は痛みなんて気の持ちようだという事です。

途中のチェックポイントの公民館で先行していたO君と会う事ができましたが、彼はなんと上着を持っていなかったのです。半そでのトレーナーがびしょびしょになり脱ぎ捨てたので、ランニングシャツ一枚でブルブルと震えています。まさに濡れネズミです。このままランニングシャツだけで雨の中を歩き続ければ確実に風邪をひいてしまう事でしょう。本人は完全に戦意喪失でリタイアを決意していました。タクシーを公民館まで呼んでまずは昨日行ったサウナで温まる事にしたようです。本人いわく自然をなめていたとの事です。やはりキャリアが無いので最小限の荷物がいったい何が必要で何が不要なのかを理解していなかったようです。こうした経験は貴重なものであって今後彼は最小限の荷物の中に傘を入れておく事でしょう。

そういう私も傘を置いてきたのでびしょ濡れになってしまいましたがなんとか上着のおかげで保温だけは出来ました。雨は1時間ほどできれいに止んでくれたので助かりました。ゴールを目指してペースを上げていきます。服は体温で自然に乾燥してきました。結局オリオンビールに11時頃に到着しましたが残念ながらまだ接待が始まっていませんでした。やはり途中で20キロに変更したために先行20キロという事になってしまったので到着が早すぎたようです。2日連続のビール接待はかないませんでした。そのままオリオンビールを通過してゴールを目指します。11時20分くらいに無事にゴールできました。規定のゴール時間は12時以降ということもあり会場はまだ人がまばらな状態です。他のウォーカーの皆さんにもお別れの挨拶をしたかったのですがO君の事も心配です。パスポートを受け取ってすぐにタクシーでサウナに向かいました。彼はすっかり回復して元気を取り戻して荷物もまとめていましたので、そのタクシーでそのまま高速バス乗り場に向かいました。

高速バスで那覇空港に到着したのが1時半頃でしたので予定より早めの飛行機に変更して空港で反省会です。沖縄料理を楽しみながらオリオンビールと泡盛の古酒で今回の反省をしながら出来上がってしまいました。搭乗ゲートではまたオッパーさんとお会いしました。普段移動されるときにはトレードマークの赤いベストは着ていない事がわかってちょっと意外でした。かなり酔っていたのでそのまま機内で爆睡して一瞬で東京に到着です。空港からサウナに直行して十分にケアをして明日の通勤ウォーキングに備えます。

今回のツアーは色々な意味で思い出に残りそうです。深夜の到着。真っ暗なスタート。沖縄の素晴らしい自然の中を歩けたコース。噂に名高いオリオンビールでの接待の味。過去のJML大会史上いちばん厳しかった山道。夜遅くまでウォーカーの皆さんとたっぷり交流できた事。そして初めて出合った激しいスコールなど今まで経験した事のない出来事ばかりでした。この素晴らしい名護やんばるツーデーマーチにまた来年参加しようと心に誓いました。

今回のレポートはこれでおしまいです。長文失礼しました。

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