日本スリーデーマーチ初日

早いものでもう11月になってしまいました。いよいよ待ちに待った日本スリーデーマーチです。今年は息子と一緒に歩ける最初で最後のスリーデーとなりますのでなおさら気合が入ります。でも大会前日の金曜の朝から事件は始まりました。

私は札幌から東京に単身赴任をしています。中学三年の息子は学校が終わってから飛行機で東京に飛んでくるのですが、彼は普段ウォーキングをしないので恐らく簡単な着替えしか持ってこないと思われます。従って息子用のウォーキングシューズや雨具やショルダーバッグなどのウォーキングに必要なグッズはすべて私が用意する必要があるのです。二人分の3日間の全装備を無理やりカバンに押し込めたら、なんと重さが12キロくらいになってしまいました。

この12キロの荷物はとてつもなく重くて残念ながらその日の朝は日課である7キロの通勤ウォークは諦めざるを得ませんでした。その荷物を持って駅まで歩いてみると足や腰などが明らかに悲鳴をあげています。でも考えてみると本格的にウォーキングを始める前の体重は94キロで今の体重は82キロですので、ちょうどウォーキングによって痩せた分と同じ重量だという事です。

カバンを抱えた状態で一年前の体重に戻ったとも言える訳ですが、いま思うとよくこんな重いものを体につけて歩いていたなと思います。1年前の歩き始めの頃はそうスピードも上がらず4キロも歩けばヘトヘトになっていたのですが、最近では40キロくらいまでは楽に歩けるようにりました。成長の秘密はこの12キロのカバンの分の減量だったのです。そう思うと不思議に12キロの重さを確かめながら職場に向かいました。

その日の仕事はなんだか手につきません。はやく夕方にならないかなと時計ばかり気にしていました。やっと仕事も終わって空港に息子を迎えに行くために職場から羽田に移動を開始しました。もちろん12キロのカバンも一緒です。到着ロビーで息子をピックアップしたのは夜の8時半頃でした。それから食事をして2時間半かけて東松山に向かいました。宿の上沼旅館に着いたのは11時をまわっていました。12キロのカバンはほんとに重かったです。宿に着いたらもう皆さん寝静まっていて真っ暗でした。明日の準備をして息子と共に眠りにつきました。

日本スリーデーマーチの初日です。会場で受付を済ませてストレッチの後にいよいよ息子と二人で武蔵嵐山コースへ出発です。さすがに海外からのウォーカーも多くて、出発直後からオランダからの参加者と30分くらいあれこれ話しながら歩きました。息子は外人と話すのがはじめてだったのでちょっと緊張して早口になってしまい相手に理解されていないようです。おちついて話すようにアドバイスしてだんだんと通じるようになってきました。オランダ人にとっても英語は外国語ですので、中学生の彼にとってはちょうど話しやすい相手だったようです。ウォーキングでの海外交流がとても良い経験になったようです。

日本スリーデーは参加者が多くてどこまで言っても人の列が途切れる事はありません。ゼッケンを見れば札幌からの親子参加だとわかりますし二人とも長身と言う事もあり、ゼッケンを見た人から声をかけてもらい、交流しながらのウォーキングは楽しいものです。これを機会に恥ずかしがらないで誰とでも気軽に交流できる事は社会に出てからもすばらしく役立つ事だという事を息子にもわかって欲しいと思います。ウォーキングは同じようなスピードで歩く人とは長い時間一緒にいますし、まわりの風景などの共通ネタが豊富ですのでまさに交流にはうってつけの環境ですね。

ウォーキング自体は大変スムーズに進んであっという間に和紙の里にやってきました。それにしてもプロの方々の紙すきの技術は大したものです。紙をすいた後に一枚ずつ重ねていき、まとめてプレスして水気を絞るのですが、絞った後はすいた紙同士がくっつかないで一枚一枚きれいに剥れるそうです。植物の繊維がすくことで絡み合って紙になるのですが、一度すいた紙の表面は滑らかな状態になって、もう隣あう紙とはいくら圧力をかけても繊維がからまないそうです。ほんの数秒前までは絡み合っていた紙の繊維が、すのこを引き上げて水から出したとたんに変化するのは実に不思議な事ですね。ウォーキングそっちのけでいろいろと解説に聞き入ってしまいました。

あっという間に30キロを歩いてゴールとなりました。ゴール会場ではイエローシートが広げられすでに皆さんが集まっていました。楽しく記念撮影をして笑顔で交流です。普段は掲示板で見るしかなかった多くの方々に直接お会いできるチャンスは、まさに東松山ですね。それにしてもイエローシート以外にも多くのシートが会場一杯にひかれていて、どこもかしこもお祭り騒ぎです。しかし他の席は主にブルーのシートが多く、イエローのシートをひいているグループは他に見当たりませんでした。やはりブルーのシートの中でイエローシートは目立ちますので見つけやすいですし、他のグループには無いオリジナリティーがありますね。最初に色をイエローにしたYKさんのアイディアが光ります。

その夜は息子と二人でサウナに出かけました。サウナは我が家の大切な健康法です。とてもリラックスできますので親子の本音の語らいには貴重なチャンスなのです。息子が幼稚園に入学する前から一緒にサウナに入っています。当時は幼稚園児が汗だくになってサウナの中で10分以上も粘っていましたので不気味な存在だったでしょうね。水風呂にも頭からザブンと入ります。旅館で情報を収集して本格的なサウナだとお薦めの「蔵の湯」に出かけました。時間も早めだったので結構すいていましたし料金も一人500円と極めて良心的で設備も大変すばらしく理想的なお風呂でした。

偶然お風呂で一緒になったウォーカーの方と話をしていたら、去年はこのお風呂までの送迎バスが出ていたので、もっと混んでいたそうです。今年はなぜかバスの送迎が無いので苦労して自分でここまで来たと言っていました。確かに前夜祭や昼食や入浴などのサポートが今年はちょっと縮小されているような気がします。まあ去年は25周年と区切りの良い年だったおかげで特別だったのかもしれませんが。風呂上りにビールを飲みながら息子と夕食をとっていたら、やっぱり夢男ファミリーと遭遇しました。彼らはGHなので、家族みんなでお風呂に入りにきたようです。家族揃って楽しそうですね。

お風呂から宿に戻り地図をみながら今日のコースを思い出して良かったところの話をしたり、大会ガイドを読んで明日のコースを検討したりしました。息子からは50キロに挑戦しようと言われましたが、私自身に自信が無かったのと、時間的に歩くだけで夕方になってしまうので他の楽しみが無くなってしまうと説明して諦めさせました。一番効果的だったのは50キロコースでは梨の接待を受けられないと説明したところ、どうしても梨を食べたいので30キロにするとの事でした。なんだか食べ物で丸め込んだみたいでちょっと気がひけましたが・・・いつもながら若いパワーには限界が無いようですね。

その日は歩きとサウナの疲れもあってか、ふとんに潜り込むと同時に二人ともぐっすりと眠ってしまいました。明日も楽しい歩きができると良いのですが。しかしこの30キロの選択が翌日ちょっとした事件を起こす事になります。つづく

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