日本スリーデーマーチ2日目

2日目の朝もすっきりと目覚めました。上沼旅館での朝食は全員がウォーカーです。一緒のテーブルで食事した女性の年配ウォーカーの方はお孫さんと息子が同じ歳だったのでびっくりしていました。彼女のお孫さんは誘っても絶対に一緒に歩いてはくれないそうです。私は本当に幸せ者ですね。朝から上沼旅館は活気があってすごくいい雰囲気です。今日はスタート直後の混乱を避けて、すこし時差を持って出発することにしました。

今日のコースは吉見百穴と森林公園です。スタート後は市街地を通って東へ進みます。吉見百穴を通って八丁湖を通りあっという間に東平のの里に到着です。ここは息子が待ちに待った梨の接待所です。梨を食べる前に朝日新聞が無料で写真をとってくれてプリントしてくれるサービスがありました。ここで親子で一枚写真をとってもらいましたが、結果的に今回のスリーデーマーチの記念写真はこの一枚だけでしたのでここで撮ってもらえてラッキーでした。(実はamakaraさんにもう一枚親子のツーショットで撮ってもらった写真を、HPに上げてもらってとっても嬉しかったです。この写真も家宝にしますね)

接待所では長いテーブルに梨がたくさん振舞われていて多くのウォーカーでにぎわっていました。私も一個だけ頂きましたが大変おいしかったです。北海道ではあまり梨をたべる機会が無いので息子は大喜びです。ちょっと時間を置いてまた違うテーブルに移っては2個、3個と食べつづけています。この接待は完全にボランティアですし後続の方にも一個でも多く梨を残してあげるべきだとたしなめましたが、息子はまだ食べたいとなかなか出発してくれません。

いくら言っても食べるのを止めない息子にプレッシャーをかける意味で、私が先行して出発し息子が食べ終わったら追いかけてもらうことにしました。これで少しは早く切り上げようと思ってくれるかもしれませんので。しかし息子とすったもんだもめているうちに、ここが30キロのチェックポイントであることをすっかり忘れてしまい、チェックのシールをもらい忘れてしまいました。後で追いついてきた息子はしっかりシールをもらってきました。この事に気が付いたのは森林公園に到着した頃でしたので時すでに遅しでした。

もうチェックポイントは撤収されているでしょうから今更戻っても意味が無いです。そこで大会役員の方に相談するといきなりペンを取り出してシールを貼るべきスペースに30という数字を書いてくれました。あとは本部に連絡しておくのでゴール後に相談コーナーに行くように指示されました。結果的には相談コーナーには予備のシールが置いてあって無事にシールを貼る事ができました。やはりチェックのシールは一種の記念品ですので一枚シールが無いとなにか寂しいですよね。事務局の素早く円滑な対応に感謝します。まあこうした事はよく起きるのでしょうね。

森林公園に到着したころ息子に異変が起こっていました。なんと梨の食べ過ぎでお腹が痛くて歩けなくなってしまいました。せっかく梨を食べるために30キロにしたのに、これではまるっきりバカですね。梨は繊維質が多くしかも硬いために消化が悪く沢山食べる果物ではないのです。聞いてみると20個くらい食べたとの事で呆れてしまいました。しかし苦しんでいる息子を放置するわけにもいかずベンチで休ませました。その間に救護所に行って胃薬を探しましたがマメや筋肉痛対策の薬しかありませんでした。30分ほど休ませましたが症状は一向に良くなる気配はありません。基本的には胃が梨をすべて腸に押し出さなければ症状は改善しないようです。運動をすれば血液は消化器には通わなくなりますのでウォーキングをさせずに安静にするしかありません。

一時間ほど休ませた後、痛みは残っていますがなんとか歩けるくらいに回復したので様子を見ながら歩き始める事にしました。しかし見るからに苦しそうです。下を向いて黙って歩いています。息子のゼッケンには「元気にあいさつをしよう」と書かれていますがとてもそんな状態ではありません。とぼとぼ歩きながらゼッケンを見た他のウォーカーから元気にあいさつしないの?と突っ込まれていました。歩くペースもかなり遅く、あちこちのベンチで休憩しながらゆっくりとゴールをめざしました。普段はゴール近くともなるとバリバリと歩いてどんどん他のウォーカーを抜かしていきましたが、逆にゆっくりしか進めないというのもなんだか割り切ってさっぱりしてしまいました。途中でCWのメンバーの方から胃薬をもらってちょっと一息つけました。

それにしてもすごい人の数です。ベンチで休んでいてもまったく切れ目無しにウォーカーがつながって行進していきます。苦しんでいる息子と二人でこの光景を見れただけでもいい思い出になりました。結果的には予定よりも2時間ほど遅れてゴールできました。イエローシートの皆さんはすでにまばらな状態になっていましたが、一応残っていた皆さんにご挨拶をしてから早速薬局で胃薬を買って飲ませました。効果はてきめんですーっと痛みが引いていったようで、やっと明るい表情が戻ってきました。今後はウォーキングの際には胃薬を携帯する必要がありそうですね。息子ももう二度と梨を食べ過ぎる事は無いと思います。多分この事件は一生の思い出になることでしょう。

お腹が回復した息子は今度はお腹がすいたようです。すぐに昨日行った蔵の湯へ向かいます。しかし日曜なので地元の家族連れが多く、昨日より2時間ほど遅く行ったので館内は大混雑です。入場するのにも浴場のロッカーが空いていないので列に並ばなくてはなりません。同じ施設でも時間帯によって随分と印象が変わってしまうものですね。二人で一つのロッカーを使う事にしてジャンプインさせてもらいました。やはりウォーキングの後のお風呂は最高です。ある意味でスポーツはその後のお風呂のための準備だとも言えそうですね。今日は食堂も混んでいるので蔵の湯では早めに切り上げて東松山名物の焼き鳥を食べに行く事にしました。

まるひろ通りにある焼き鳥屋に寄ってビールを引っ掛けていたら結構他のウォーカーの方々と一緒になりました。こんな所でも色々と話しながら交流ができました。ウォーカーは帽子をかぶっているかベストを着ているかデイパックを持っているので一目でそれとわかりますね。息子はこの焼き鳥がとても気に入ったようで辛い味噌をたっぷりと塗ってどんどん食べています。彼にとって焼き鳥屋で最初に食べた焼き鳥が東松山風だった事は良かったのか悪かったのか。10年くらいしてから焼き鳥を一緒に食べる機会があれば聞いてみようと思います。

今日は色々な事がありましたが、とても思い出深い一日だった事は確かです。サウナと焼き鳥とビールのおかげで部屋に戻った瞬間にもう眠りについていました。いよいよ明日は早いもので最終日です。なんかもう終わってしまうのはちょっと寂しいですね。明日は歩いた後に札幌まで帰らなくてはなりません。これがちょっとした事件になってしまいました。(いつも事件ばかりで失礼)つづく

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