■第11章 フォーデーマーチの感想とノウハウ

まずオランダに到着してすぐにナイメーヘンまでの切符を購入した時や電車内で検札を受けたときやナイメーヘンでタクシーに乗ったときも必ず声をかけられたのは「4デーにいくのか?」という意味の言葉でした。でもオランダ語を全く知らない私はこのフォーデーマーチをなんと発音するのかを知りませんでした。これではあまりに寂しいのでホテルで聞いてみました。

日本で言うオランダフォーデーマーチはオランダ語では「フィア・ダーグシェ」と言います。(4DAAGSE)これは英語で言うとThe4daysという意味です。発音のポイントはグの部分でモルヘンのヘと同様に喉の奥が擦れる音です。簡単に発音するにはグの音をなるべく短く発音するようにすればそれらしく聞こえます。この単語を覚えておくだけでも道中がぐっと楽しくなるはずです。

ナイメーヘンのウォーカーの方々は大抵が長身でスリムです。長身のせいで歩くスピードが信じられない位に速いです。このスピードにペースを乱されないような強い意志が必要です。オランダ人は平均身長がヨーロッパで一番で高いそうで長身の分歩く速さも早くなりますので日本人が同じスピードで一緒に歩けるはずもありません。

時差は日本時間で過ごせば全く時差ぼけにはなりません。とにかく毎日午後6時頃には確実に寝るようにしないとかなりきついと思います。日本時間では午前1時に相当します。これを守るとなると歩いた後のスケジュールがかなりきつくなります。夕食や次の日の準備などの時間が極端に短くなりますので工夫が必要になります。

コースの案内標識

あらかじめ地図は日本でプリントアウトしておいたほうが良いと思います。受付をしても地図はもらえません。売店で1ユーロでコース地図は売っていますがかなり小さいので見にくいです。やはり日本でA4サイズにプリントアウトして不要な部分を切り取って正方形にして持ち歩くと便利でした。

地図に表示されているレストエリアはすべて軍の施設の場所を表しています。これ以外の休憩所が数多くありますのでこの地図の休憩所マークは無視して構いません。

マメの治療は赤十字のマークの個所でやっていますが治療といっても消毒して水を出して厚手のテープを足全体に貼るという治療ですので自分でも十分に出来ます。どのマメ治療所もかなり混雑していますので、あらかじめテーピングしておくか安全ピンと厚手のテープを持ち歩くべきだと思います。

マメの治療所

色々な物をふるまってくれる子供に何かお礼で渡せば家族から大歓迎されてサンドイッチなどをくれたりトイレも貸してくれるので準備しておいた方が良いと思います。たとえば日本ではゴミになったポケモンカードとかムシキングカードやスーパーのガチャガチャの景品などを数多く持っていくのが良いでしょう。

キャンディを配る子供達

マメ防止のためのテーピングに使うテープはフランス製のガムテープみたいに硬いものが良いと思います。日本からは保険としていつも使っているテープを持ってきた上で、オランダのドラッグストアでLeukoPlastの赤で好みの幅のテープを買ったほうが良いでしょう。ただしナイメーヘンではすべて売り切れているので要注意です。アムステルダムや周辺の町には在庫がある場合があります。

ヘッドホンステレオを聞くときはイヤホンを両耳にはめないほうが良いでしょう。軍隊や警察はかなりのスピードで連隊行進するので前を歩く人に声をかけながら行進します。もし両耳イヤホンだと声が聞こえないので、突然肩に触られてびっくりします。また他のスピードの速いウォーカーもどんどん声をかけて抜いていきますので、片方だけにイヤホンをする方が安全です。

サングラスはよほど太陽がまぶしくなければ不要です。かえって応援してくれる人に失礼だと思います。ただこれはあくまで私の私見ですので、もちろん個人の判断で装着してもらって結構だと思います。

コース中で食事を取るにはスープかサンドイッチが中心になります。特にサンドイッチは歩きながら食べれるので歩行中の主食となります。薄いチーズ一枚だけがパンにはさんむスタイルがメインで1ユーロで何処でも買えます。しかしお腹が空いている時に限ってサンドイッチを売っていないという法則を発見したので、一時間に一個なら並ばないで買える所を見つけた時に無条件で買っておく事にした方が安全だと思います。

コース内の売店

水はミネラルウォーターだけを飲んだほうが良いでしょう。オランダの水道水の味は日本人にとって慣れるまで時間がかかるからです。またヨーロッパのミネラルのボトルは背が高くPETボトルの厚さが薄いの華奢です。日本から500mlの太めで硬いPETボトルを持っていって内容だけを入れ替えて使う方が具合が良いと思います。

沿道の応援のきっかけになるものを装備したほうが楽しめると思いました。小さな国旗などでも良いと思いますがオランダで年配の方は反日感情を持っている方もいるので、年配の方には礼を尽くして下さい。またピロピロ笛とか扇子とかポケモンの帽子とかが注目を集めて楽しいと思います。

軽い仮装の例

今回は四日間毎日少しずつ雨に振られました。このあたりの雨対策はとても重要です。現地のウォーカーの雨対策は8割がかっぱで2割が傘という感じでした。私は長さ20cmの折畳みの傘をベストのポケットに忍ばせておきました。これが結構役に立ちました。ベストなので顔を傘で隠せば荷物も濡れません。大雨のときはスパッツとの組み合わせになると思います。

今年の天候は特に温度が低くて朝は13度で昼は19度くらいとかなり平年より寒かったようです。普段の年は平均で言えば21度くらいだそうです。北海道生まれの私は今年の天気でも半袖半ズボンで丁度良かったですが、このあたりの対応が完歩のカギになると思います。2年前はヨーロッパ全土が猛暑になってナイメーヘンでも35度を越えたそうです。ウォーカーが脱水症状になって熱中症になるのを防ぐ意味で途中でなるべく水を飲んでもらいコースをショートカットさせたそうです。さすが長い歴史のある大会なので色々な対処ができるのですね。

この大会の経済効果は極めて高いように思います。我々ウォーカーの参加費やホテル代や食事代はもちろんですが最も経済効果が大きいのは観客の家で家族や親戚を集めた年に一度のお祭りをする費用がかなり大きいと思います。

今回の私はホテル代で700ユーロ、交通費や食事などの雑費で300ユーロの合計1000ユーロをナイメーヘンで消費してきました。幸い飛行機はマイレージ利用で無料でしたので旅の決算は〆て1000ユーロとなりました。

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